最後に、当の患者さんの立場としては、自らの病状を以って新薬が有効かどうかを見定める、言い方は悪いですが実験台となるのと同義なわけですから、事前に十分な説明と同意(インフォームド・コンセント)が必要なのは言うまでもありません。しかしながら、既存の薬では成し得なかった劇的な効果が認められれば、それは患者側にとっても、製薬側にとっても大きなメリットになります。更に患者側には、既存の薬であれば、本来支払わなければならなかったであろう費用が、製薬側の負担で行えるという金銭的なメリットもあります。ですが、デメリットを考えないわけにもいきません。どのフェーズであれどのような条件下で副作用が現れるかは分かりませんし、正しい服用方を守れているかどうかも大切です。
治験コーディネーターは、こういったそれぞれの治験参加者の思惑を上手にコントロールしつつ、治験を進めていかなくてはなりません。特に患者さんに対しては、一番負担の大きい参加者なわけですから、心理的な面のケアも重要です。


