2008年07月23日

治験コーディネーターの業務について

治験コーディネーターの業務は、それぞれ異なる立場にある人々を治験という状況下で一つに結び付ける、そんな表現が出来るでしょう。医師にとっては、新しい薬の情報をいち早く入手出来る、治験を行うことでより多く診療点数を稼ぐことが出来る、など。また、製薬側の立場としては、治験の段階に至るまでに時間的にも金額的にも莫大なコストを掛けているわけですから、それを回収し得るか否かの最終段階ということになります。
最後に、当の患者さんの立場としては、自らの病状を以って新薬が有効かどうかを見定める、言い方は悪いですが実験台となるのと同義なわけですから、事前に十分な説明と同意(インフォームド・コンセント)が必要なのは言うまでもありません。しかしながら、既存の薬では成し得なかった劇的な効果が認められれば、それは患者側にとっても、製薬側にとっても大きなメリットになります。更に患者側には、既存の薬であれば、本来支払わなければならなかったであろう費用が、製薬側の負担で行えるという金銭的なメリットもあります。ですが、デメリットを考えないわけにもいきません。どのフェーズであれどのような条件下で副作用が現れるかは分かりませんし、正しい服用方を守れているかどうかも大切です。
 治験コーディネーターは、こういったそれぞれの治験参加者の思惑を上手にコントロールしつつ、治験を進めていかなくてはなりません。特に患者さんに対しては、一番負担の大きい参加者なわけですから、心理的な面のケアも重要です。

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治験コーディネーターの年収について

 医療従事者の賃金というものは、特に言われるような医師の高収入(あるいは、同じ医師間での格差など)を除けば、大概は横並びと言えるでしょう。治験コーディネーターは厳密に言えば医療従事者の範疇ではないですが、携わる現場は看護師などと同様のため、収入も看護師や臨床検査技師などと同じ水準にあるようです。看護師などと違って、基本的には一般の就業時間内での業務が主ですから、日勤夜勤といった不定期な勤務形態で働かざるを得ない職からしてみれば、相対的にやや優遇されているとみられるかも知れません。
 ただ、治験コーディネーターの場合は、看護師などのように、既に国家試験などが整備されている確立された資格職ではないので、その給与水準も一定であるとは限りません。資格認定の基準でもほぼ必ずといっていいほど明記されている通り、実務経験の年数や、扱ってきた症例数など個々の能力に拠るところが大きいようです。看護師などででも治験の現場に携わっていれば、その分も業務経験とカウントされる場合もあるようです。
 また、業務に携わる際の形態でも左右されます。一つには医療機関―この場合は治験がその業務ですから、治験を行える規模となると結果的には病院になってしまうわけですが―によって直接雇用されている場合と、SMO(Site Management Organization、治験施設支援機関の略称)に所属し、そこから治験先へ派遣されてくる場合とでは、また事情が異なるわけです。

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治験コーディネーターの資格について

 現在、治験コーディネーターという職業についての確固たる認定資格、即ち、国家資格のような統一されたものは存在せず、日本臨床薬理学会や日本SMO協会などといった民間の団体によるものが幾つかあるのみです。これは、まだ治験コーディネーターという職業そのものが、確固たる統一基準と呼べるものを確立できていない事と同義なのではないでしょうか。
 上述した民間の団体による養成講座、資格認定などの要件を見ても、実際に治験の現場に一定期間以上従事していなければならず、医療従事の経験を何も持っていない状態から目指すという性質のものではなく、既に他の職業(資格)で実際に治験の現場に携わった上で、その経験を証明するために認定資格を取得するという傾向にあるようです。
 では、どのような職業から治験コーディネーターへと進むことが出来るのでしょうか。それは実際に治験が行われる現場で、直接患者さんと接する看護師、検査によって得られたデータから症状の推移を導き出す臨床検査技師などの医療従事者や、新薬を扱うという性質から、既に認可されている医薬品の知識を活用できる薬剤師や、製薬企業での勤務の経験のある者、などが考えられます。
 当然、これらの職業にあったとしても、それだけでは対応し切れないケースもあるでしょう。性質的に、治験に携わる人々の間の調整役というポジションであるので、カウンセリングの技術を持つカウンセラーのような側面を持った資格も、その助けとなるやも知れません。

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crc治験コーディネーターについて

CRCとはClinical Research Coordinatorの略称であり、一般に治験コーディネーターを指す際の略称でもあります。また、治験に携わる非医療従事者としては、CRAと呼ばれる職種の人々が居ます。CRAとはClinical Research Associateの略称ですが、これはあまり一般的なものではなく、しばしば治験モニタリング担当者、あるいはモニターなどと呼ばれているものです。
 モニターはその名の通り、治験がGCP(Good Clinical Practice、医薬品の臨床試験の実施の基準 の略称)のルール通り、当初の計画通りに遂行されているかを監視する役割であり、治験コーディネーターとはまた別の角度から、治験に携わる職種です。
 治験コーディネーターを派遣している(病院自体が配置している場合は別ですが)のは、前述した通り、SMO治験施設支援機関ですが、モニターの場合は、CRO(Contract Research Organization、受託臨床試験実施機関の略称)と呼ばれる機関です。
 こちらも企業であり、主に製薬企業から治験の依頼を受けて、実際に治験を行う医療機関を探したり、契約したり等の業務を行います。また、モニターを派遣し、治験の進捗状況を記録、管理し、それをクライアントである製薬会社に報告したりと、実際に治験の行われている現場で患者さんと直に接したりするCRCよりも、むしろ製薬企業よりのスタンスにある職種であると言えるでしょう。

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治験コーディネーターの求人について

治験コーディネーターの求人を探すにあたっては、非常にニッチな業種であることを認識しておかねばならないでしょう。資格をキーワードに探すことの出来る医療関係であっても、看護師や介護福祉士などとは違って、治験そのものが幅広く行われている性質のものではないからです。よって、ある程度以上の規模の医療機関が存在するといったような、地理的な条件もハードルとなり得る場合もあります。そういった面では都市部の方が探しやすい傾向にあるかもしれません。
 こういった事情はあくまで、病院が専任、あるいは非常勤で雇用する場合の治験コーディネーターの求人であり、そういった募集はそう数多くはありません。それにわざわざ外部から雇い入れるよりも、院内で看護師や臨床検査技師として既に現場に居る人が、認定資格の取得などで専任になる、といったことも考えられますから、やはりあまり期待は出来そうにありません。
 となれば大概の場合は、SMO(Site Management Organization、治験施設支援機関)を通じて治験コーディネーターという道を選択することになるのではないでしょうか。臨床経験がないと厳しいのはどちらも同じではありますが、SMOの場合ですと、看護師など医療関係の職に従事したことのない新卒者であっても、事前研修やOJTなどを充実させているところであれば、治験コーディネーターとしてやっていくことも出来るかも知れません。やはり、先に関連資格を取得しておくのに越したことはありませんが。

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治験コーディネーター養成研修について

前述したように、治験コーディネーターには、公的に統一された資格認定制度や基準などは存在しません。なので、幾つかの関連団体がそれぞれに主に経験者を対象にした資格認定を行っていますが、その過程で研修を課しているものがあります。
 例えば、日本臨床薬理学会の示すCRC認定基準では、2年以上の業務(専任か、それに相当するだけの業務年数)と、定められた数の症例実績のほかに、厚生労働省、文部科学省、日本看護協会、日本病院薬剤師会、日本臨床衛生検査技師会、他様々な機関が主催する研修会、講習会に一定数参加することを課しています。
 また、日本SMO協会での研修制度では基礎的な知識の学習から、実務において必要とされる内容までを導入研修として纏めています。前者に40時間以上、後者に16時間以上のカリキュラムを課しておりそれらを全て修了した上で、治験コーディネーターとしての実務を規定以上こなして初めて、公認CRCの申請を行うことが出来ます。
 これ以外にも、看護師の関連団体である日本看護協会が行っているもの、薬剤師の団体である日本薬剤師研修センターによるもの、製薬企業の業界団体である日本製薬工業協会が主催するものや、厚生労働省、文部科学省などの関係省庁がかかわるものなど、治験にまつわる様々な職種、業界、機関などで散逸的に行われており、統一感のなさは否めません。またこれらは大半が既に医療なり製薬なりで現場に携わっていることが欠かせないものとなっています。

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治験コーディネーターの募集について

 主に治験コーディネーターの募集が行われている先は2つあります。一つは、治験を行う病院自体が専任か、あるいは非常勤などの形で配置するために募集するものです。これは直接の雇用者が病院本体になるので、その病院の定める給与規定や年金制度などが適用されることになります。
 一方、もう一つの選択肢としてSMO(Site Management Organization、日本語にすると治験施設支援機関となる)という企業の元で治験コーディネーターの業務を行うというものがあります。
 SMOはその名の通り、治験を行う施設、即ち病院などの医療機関を支援する業務を行う企業であり、治験を行う際に、医療機関が独自に治験コーディネーターを置かなくても済む、あるいは、治験コーディネーターを独自に置いていない病院でも、治験を行うことが出来るように、という点から徐々にその設立数が増加傾向にあります。
 一般にSMOは製薬企業からの依頼によって治験コーディネーターを病院へと派遣することになります。実際に治験が行われる現場は病院であっても、治験に至るまでの道程は製薬企業によって始まった新薬の開発業務によって整備されたわけですから。
 このように同じ治験コーディネーターであっても、その所属が何処か、という違いで治験に臨むスタンスも微妙に異なるわけであり、特に後者の場合、治験の度に派遣される先が変わったり関係者がその都度入れ替わったり、などのケースも考えられるので注意が必要です。


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治験コーディネーターとは

 病院でお医者さんから処方されたり、あるいは、薬局で買い求めたりする医薬品の開発には、通常とても長い期間が費やされます。それは、医薬品の原料となる成分、研究を重ねた上で生成されたものであったり、何らかの副産物として生まれたものだったり、あるいは、自然界で新たに発見された物質だったりと様々ですが、そこから特定の作用が期待できるものを抽出し加工するというものです。そうして出来た試作品をサルやネズミなどの動物を使い様々な条件下で実験を繰り返します。ここまで掛かる年数はおよそ5〜10年とされています。
 こうして十分に吟味を重ねられて人間に投与しても十分な作用が見込め、重篤な副作用も現れないだろうと判断されたものが、人間での投与実験、即ち治験の段階へと進められます。
 治験に段階(フェーズ)があり、いきなり現在進行形で病気を患っている人に行われたりするのではなく、まず最初に健康な成人に対して行われます。これは期待される作用がどのように働くかよりも、副作用がどのようにして現れるかについてを重視して行われます。
 最初の段階での治験に問題がなければ、実際の患者さんに対して、第2、第3の治験が繰り返されて、新薬として厚生省に申請が行われるかどうかの判断の段階となります。
 こういったいわば医薬品の最終テストとも言える、段階であるところの治験の現場において、実際に投与される患者さんと適用を判断する医師や、製造元である製薬企業の人間など、治験に関わる多数の人々の仲介をするのが治験コーディネーターという仕事です。


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